2024-06-17 スタッフBlog
2024年からの新しい歯科選びの基準!口腔管理体制強化加算(口管強)って?
以前のブログでは、予防歯科を保険適用で受けたい患者さんのために「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」の制度についてご紹介させていただきました。
しかし、2024年度(令和6年度)の6月からはか強診の名称が変わり、「口腔管理体制強化加算(口管強)」という制度が新しくスタートします。
患者さんにとっては、どちらにしても耳慣れない制度ですよね。そこで、この記事では歯科に通うみなさんにとって、今回の口管強制度にどんなメリットがあるのかご紹介していきます!
目次
「口管強」のポイントとは?
口管強(こうかんきょう)は、これまでのか強診と同じく虫歯や歯周病を予防することを目的とした制度です。
この新基準を満たすために、施設に求められる研修や実績などの要件も同時に変更されています。
つまり、早い段階で口管強の認定を受けている診療所=「時代の考え方に合わせて治療や予防の技術を常にアップデートをしている」と一目で判断することができます。
ということは、口管強の認定歯科はみなさんにとっても頼れる存在になるはずです。新しく通う歯科を決めるときや、現在の通院先に不安を持っているときの選び方の参考にすると良いでしょう。
お子様の将来的な予防に関する改定
口管強に変わったことで、小児歯科の予防処置に対する診療報酬が改定されました。
たとえば、
- 歯磨きを嫌がるから
- どうせ乳歯は生え変わるから
などの理由で、小児歯科の予防に消極的な保護者の方は多くいらっしゃいます。
しかし、子どもの頃からのブラッシングのやり方や歯並び・噛み合わせは、将来的な口内環境に大きく影響を及ぼすのです。
お子さんの舌の癖や指しゃぶり、口呼吸にお困りの保護者の方は、これを機にぜひご相談くださいね。
高齢期の口腔機能管理に関する改定
また、口管強では訪問診療の対象者が拡大され、同時に診療報酬も改定されました。
これは、歯科がリハビリ期にある高齢期の方のお口の健康管理にまつわる予防や治療に取り組みやすい環境になってきたということです。
高齢期の食生活には、食事内容の工夫や飲み込みなどのトラブルがつきもの。それにともなって体重が減ってしまったり、柔らかい食事によって顎の機能が低下してしまうことも考えておかなければなりません。
高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスク回避も含めて、歯科で取り組むことのできる高齢期向けの健康管理はまだまだたくさんあるのです。
「口管強」の歯科でできること
「口管強」に認定された診療所では、歯科医師や歯科衛生士によるメンテナンスやSPTを、毎月保険適用で受けることができます。
予防歯科の内容やSPTについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています!
PMTC(歯のクリーニング)
PMTCはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略称です。「名前は聞いたことがあるけど、どんなものなのか想像できていなかった」という方も多いですよね。英語で考えてみると、内容がイメージしやすいのではないでしょうか?
定期検診などで行うスケーリングとは異なり、歯科医師や歯科衛生士などのプロが専用の機械を使って行う歯のお掃除のことです。
PMTCによって虫歯や歯周病菌がつきにくくなり、高い予防効果を期待することができます。
口管強以外の歯科では自費診療のため、料金相場は8,000〜15,000円程度かかります。これまで金銭面の負担を考えて避けていた方は、この機会に口管強認定の診療所を探して相談してみるのもおすすめですよ!
フッ素塗布
フッ素は初期の虫歯に対する予防処置として有効な手段です。
保険適用外の料金相場は1,000〜3,000円ですが、PMTCと同時に行うとさらに効果的だとされています。
それを踏まえると、こちらも口管強の認定診療所でお願いするのが経済的だと言えるでしょう。
当院は口腔管理体制強化診療所です!
当いのうえ歯科クリニックも、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所から口腔管理体制強化加算診療所に認定が変わりました。
新設されたばかりの制度ということもあり、認定所は全国でも全体の1割程度なんだそうですよ!
歯科は「虫歯を治す場所」から「虫歯にならないための場所」に
一昔前までは虫歯や歯周病の予防が保険適用外だったこともあり、歯科は「トラブルに気づいてから行くところ」という考え方が一般的でした。
しかし、歯科に求められる課題は「すでにできてしまった虫歯を削り、詰める治療」から「虫歯や歯周病を悪化させないための定期的なメンテナンス」に変わりつつあります。
当院も、やはりメンテナンスが強みとなっています。お口の健康管理について考え直してみたい方は、ぜひ相談にいらしてくださいね。
将来的な予防やお口の健康管理を目指して
また、早いうちからお子さんの予防歯科に取り組むことによって、将来的なお口の健康状態管理への姿勢を作ることができます。
高齢期の方のお口の機能トラブルについても、
- 状態を悪化させない
- 今の状態をキープする
という意味での予防歯科が、今後の鍵を握ります。私たちも、今の高齢化社会の中で健康な方が多く通ってもらえる医院づくりに取り組んでいます。
これを機に、ご家族みなさんでお口の健康について考えてみませんか?