2025-07-08 スタッフBlog
「8020運動」とは?20代・30代で知っておきたい歯のメンテナンスについて
目次
8020運動とは?
8020運動とは、1989年(平成元年)より当時の厚生省(現在の厚生労働省)と、日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。なぜ20本かというと、20本以上の歯があれば、食生活におおよそ満足することができると言われているためです。「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めて、この運動が始まりました。
実は、永久歯の寿命は平均して50年~65年とされており、永久歯が生え変わるのが12歳~13歳頃とすると、永久歯の寿命を迎えるのが62歳~78歳という計算となり、日本人の平均寿命である84歳に届きません。
特に60歳を超えると歯を失う本数が増える傾向にあることから、早期からの歯のケアや、リスクに対する対処が必要となります。
はじめに、ライフステージごとに気を付けるべきポイントをお伝えします。
乳幼児期
生後6か月頃から乳歯が生えはじめ、この頃に両親をはじめとした身近な大人から子どもへ、虫歯の原因となる菌が感染するようになります。
乳歯は永久歯と比べるとやわらかいため、虫歯の進行が早くなりやすいという特徴があり、乳歯が虫歯になると永久歯への生え変わりにも影響を及ぼします。
また、虫歯の原因菌への感染時期が遅ければ遅いほど、生涯にわたる虫歯リスクが低くなるというデータもあるため、この時期の歯のケアは非常に重要です。
歯みがきの習慣化を、保護者が率先して促すと良いでしょう。
学童期
永久歯への生えかわりによる時的な歯の欠損や乳歯との混在などにより、きれいに歯をみがくことが難しくなります。
歯並びや歯の大きさに合った歯ブラシの選択や、歯間ブラシ・マウスウォッシュなどのケア用品も上手に取り入れることをおすすめします。
特に6歳臼歯と呼ばれる、永久歯の中で最初に生えてくる奥歯(第一大臼歯)は非常に虫歯リスクが高いため、保護者が仕上げみがきをしっかりと行うなど、ケアをすることが重要です。
思春期
思春期は進学に伴って部活動、塾通い、受験、子ども同士だけでの外出など、ライフスタイルが大きく変化し、親の目が届きにくくなる時期です。
それにより食習慣も変わったり、歯みがき習慣も乱れたりするため、むし歯も発生しやすくなります。
生涯使う歯の大切さを早い段階から意識づけし、子ども自身が自発的に歯のケアができるようにしましょう。
成人期(20代~40代)
進学・就職などにより、さらにライフスタイルが変化していきます。
また20代後半~30代以降になると、仕事における責任の増加や、結婚・子育てなどで、日々の忙しさやストレスを感じる方も多くなることで、虫歯などの口腔トラブルも発生しやすくなります。
特に女性は、妊娠・出産により歯の健康を損なってしまうケースも少なくありません。
この時期の歯への意識が今後に大きな影響を及ぼすため、日々のケアを意識することが大切です。
中年期以降
加齢や歯周病などによって歯ぐきが下がることで、歯が抜けてしまうリスクが高まります。
また、唾液の分泌も年々減少するため、口臭などに繋がるケースもあります。
歯の寿命を延ばすためにも、ますますのケアが必要になります。

歯の健康にはメンテナンスが重要!
歯の健康を生涯保つためには、自身でのケアもとても重要ですが、プロによるメンテナンスを上手に活用できると良いでしょう。
定期的な歯のクリーニングを受けることで、セルフケアでは取り切れない歯垢や歯石の除去をし、虫歯や歯周病の発生や進行を抑制し、長期にわたる健康な歯の維持に繋がります。
また、定期的に受診をすることで、目に見えない初期の虫歯や歯周病の兆候を早期に発見することができます。
歯は、自覚症状が出るほど虫歯などが進行した際には、強い痛みを伴うことも多く、日常生活にも影響を及ぼしてしまいます。
また、定期的なケアを受けていない人は年間約2本のむし歯が発生するというデータもあるため、予防歯科を上手に利用し、口腔トラブルの予防や早期発見をすることで、QOL(生活の質)向上に寄与できるともいえるでしょう。

20代・30代の歯医者との付き合い方
各ライフステージの中でも、特に仕事や子育てに追われがちな20代~30代は、不調があってもつい病院の受診を後回しにしてしまったり、不規則な生活を送ってしまったりなどが起こりがちです。
そんな忙しい世代にこそおすすめしたいのが、「かかりつけの歯医者」をもうけること。
かかりつけに日ごろから健康状態や病歴、生活習慣などを把握してもらうことで、病気の早期発見や適切な治療に繋がります。また何かあった時に治療が最小限で済んだり、専門医への紹介もスムーズになったりなど、結果的にスピーディに対応してもらうことができ、忙しい世代への適切な対応が可能になります。
また、家族がいる方は家族のこともお任せすることで、より安心感に繋がるでしょう。
口腔内の健康は、全身の健康と密接に関連しているため、かかりつけの歯医者を持てると安心できるのではないでしょうか。

いのうえ歯科クリニックでは適切な治療はもちろんのこと、予防歯科にも力を入れており、教育を受けた専任の衛生士がメンテナンスを行っています。
歯の健康を保つことで、生涯にわたって食べることや話すことを楽しむことができ、生活の質向上につながります。あなたの大切な歯を、一緒に守っていきましょう。
