2023-10-10 スタッフBlog
唾液って実はすごい!唾液が持つ様々な役割とは?
お口の中に当たり前にある唾液が実際どんな働きをしているのかご存知でしょうか?唾液には様々な役割を持っていて歯にも大きく関わっており、とても大切な働きをしてくれます。
今回は唾液の働きをご紹介いたします。
目次
唾液はどこから分泌されている?
唾液は血液の成分により作られ、唾液腺から分泌されています。唾液腺には大唾液腺の左右3対と小唾液腺があり、主に95%が大唾液腺から分泌されています。
大唾液腺には、耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)の3対が左右にあります。
小唾液腺には、口唇腺(こうしんせん)、口蓋線(こうがいせん)、頬腺(ほうせん)、臼後腺(きゅうごせん)、舌口蓋腺(ぜつこうがいせん)、舌腺(ぜっせん)などのことを言い、お口の中に600〜1000個存在します。
唾液の様々な働き
・緩衝作用
唾液の緩衝作用とは、お口の中は常に中性に保たれており、食事や取ったりジュースを飲んだりすると細菌によって酸が生産され、お口が酸性に傾きます。その酸性に傾いた状態が続くと歯が溶け虫歯になってしまうので唾液により中性に戻す働きのことを言います。
・再石灰化作用
唾液にはミネラル分のカルシウムやリンが豊富に貯えられています。酸によって歯から溶け出したミネラル分が唾液によって、再び歯に形成され修復をしてくれる作用があります。この作用を再石灰化といいます。
・自浄作用
食事をすると食べかすが口の中に残ります。食べかすをそのままにしておくと、細菌が餌とし、酸を生産し歯が溶け始め虫歯となります。これを防ぐために唾液が食べかすを洗い流してくれることを自浄作用といいます。
・消化を助ける作用
消化といえば、胃や腸の役割なイメージですが、唾液も消化作用を助ける消化酵素の成分が入っています。これは、βアミラーゼといって、炭水化物(デンプン)を咀嚼することにより唾液と混ざり合い、糖(麦芽糖)へ分解する作用がある消化液の一種です。
・抗菌作用
お口の唾液には抗菌作用を持つ成分が含まれており、この成分がお口の中に侵入してきた細菌やウイルスの活動を抑えてくれます。
・潤滑作用
唾液には、お口の中の軟組織と呼ばれる頬粘膜、舌、唇の動きを滑らかにする潤滑の作用があり、擦れて傷付いてしまうのを防いでくれます。入れ歯が入っている人は唾液が潤滑剤の役割を果たしているため、唾液の量が少ないと痛みを感じてしまうことがあります。
唾液が減少するとどうなるか?
・虫歯や歯周病のリスクが上がる
・食べにくい、飲み込みにくい
・食べ物の味が分かりにくい
・口臭が強くなる
・カビが生える(口腔カンジダ症)
よく噛んで食べて唾液が分泌させよう!
よく噛むことは、消化を助けるだけではなく、虫歯の予防にもなります。食べ物をよく噛んで食べることにより刺激され、唾液の分泌が促されます。それにより、緩衝作用と自浄作用が働きで歯が溶けるのを抑制されます。逆に、噛まずに摂取できる糖を含んだ飲食物は、唾液が出にくく虫歯にもなりやすいので注意が必要です。
お口が乾燥すると・・・
多く見受けられるのが、潤すために糖分が入った飴を頻繁になめる方です。糖分がお口の中に入ってくることによって、細菌達の餌になり酸を生産させ歯が溶けてしまいます。通常、唾液は溶け出した歯の再石灰化や酸性を中性に戻してくれる役割があるのですが、それらの役割が発揮せず、もの凄いスピードで歯が溶け虫歯が進行してしまいます。口が乾いてしまう方は糖アルコールのキシリトール入りの飴やガム、タブレットをオススメします。(酸や果汁は入っていないもの。)
ガムであれば、咀嚼の刺激により唾液の分泌が促進され、再石灰化も進みます。
唾液はお口の健康を保つのに必要なのはもちろん、様々な役割を果たしています。よく噛んでお食事をするよう意識して、唾液の分泌量を増やしましょう!