2024-05-13 スタッフBlog

歯周病は自分で治せる?正しい治療と予防方法について

歯周病とは?

歯と歯茎(歯肉)の隙間(歯周ポケット)に細菌が侵入すると、歯肉の炎症が起こります。この炎症が進行すると歯を支えている骨を溶かしてしまう病気を歯周病といいます。

歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かない状態が続くと、そこに多くの細菌が溜まり、歯肉の辺縁が炎症を起こして赤くなったり、腫れたりしますが痛みはほとんどの場合ありません。

しかし症状が重くなった場合、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。 歯周病が原因で歯が抜けてしまうと、噛む力が弱くなり、食事などの日常生活に支障をきたすこともあります。

虫歯と違い歯周病の自覚症状はほとんどないため、知らぬ間に進行し、気付いた時には歯を失う危険性のある恐ろしい病気です。

実際に、日本人の歯を失う原因の第1位は歯周病(37%)となっており、歯周病罹患率は15-24歳が20% 、25-34歳で30% 、35-44歳で40%、 45-54歳は50%、そして55歳以上は55-60%という割合になっています。

しかし、歯周病は早い段階から予防していけば、歯の健康を維持することができます。

歯周病のサイン

歯周病の初期症状として、歯肉の赤みや腫れ、出血、口臭などの症状が起こります。これが、歯周病のサインです。

通常歯ぐきの色はピンク色ですが、歯周病になると充血したように赤くなります。さらに進行すると、充血したような赤色から茶褐色へ変化します。

歯周病チェックリスト

以下の症状にあてはまるものがあるか、チェックをしてみましょう。

1.

☑️歯ぐきの色が充血したような赤色に見える。
☑️歯との境目部分の歯ぐきがぷっくりしているように見える。
☑️歯磨きの際に血が出る、歯ブラシに血がつくことがある。

2.

☑️歯間ブラシやフロスをすると嫌な匂いがする。
☑️食べ物が挟まりやすい、歯間が以前よりも開いてきたように感じる。
☑️歯ぐきが下がってきている。歯が長くなったように感じる。

3.

☑️歯のぐらつきを感じる。
☑️かたいものが食べづらい。
☑️歯がしみる。

ひとつでも当てはまるものがある場合、治すためのアプローチが必要です。歯周病の炎症性物質は、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせたり、早産・低体重児出産・肥満・血管の動脈硬化にも関与が示唆されていたりするなど、歯に留まらない影響を及ぼすこともあります。

歯周病になりやすい人の特徴

歯周病になりやすい人の特徴として、以下の項目が挙げられます。当てはまるものがある方は、より一層の予防意識が必要です。

①歯磨きをあまりしない人
歯磨きが苦手、面倒くさくてあまり磨かない人は歯周病になるリスクが高くなります。歯垢を上手く落とさないとお口の中は細菌でいっぱいになり、歯周病のリスクを高めます。

②喫煙する人
タバコには多くの有害物質が含まれており、それらが血流悪くします。酸素や栄養の供給の低下、唾液分泌も阻害されるため非喫煙者より歯周病になるリスクが2~8倍と言われています。

③糖尿病の持病がある人
糖尿病になると細菌への抵抗力が低下します。高血糖の影響で唾液の分泌が阻害されるため口腔内の乾燥が起きます。それにより細菌が繁殖しやすくなり、歯周病になりやすいです。

④食生活が偏っている人
砂糖などの糖分を多く摂取していると、歯垢が沢山生成することで歯茎に溜まりやすく歯周病になる可能性が高くなります。バランスの良い食事を心がけましょう。

歯周病は自分で治せる?

もし歯周病になってしまった場合、自力で治せるものなのでしょうか。

健康的な歯周ポケットの深さは3mm以内と言われています。そして市販の歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどできれいにできる範囲も同じくらいであるため、歯周病になり深くなった歯周ポケット内の歯垢や歯石を、自力で落とすことはできません。 

そのため歯周病治療には、歯科などのプロの手が必要になります。

治し方としては、軽度であれば歯垢や歯石を取り除く清掃や噛み合わせの調整、重度の場合は外科治療などを行います。

治療に際してはプロのケアが必要ですが、予防や改善にはホームケアも非常に重要です。正しいブラッシングをし、歯間ブラシ・デンタルフロス・マウスウォッシュなどを適切に利用することで、悪化の防止や予防に繋がります。

当院では予防歯科にも力を入れており、ホームケアの方法について丁寧にお伝えしています。気になることがあればお気軽にご相談ください。大切な歯を、一緒に守っていきましょう。