2024-06-10 スタッフBlog
歯周病を防ぐために!自宅でできる予防方法をご紹介
目次
歯周病とは
歯と歯茎(歯肉)の隙間(歯周ポケット)に細菌が侵入すると、歯肉の炎症が起こります。この炎症が進行すると歯を支えている骨を溶かしてしまう病気を歯周病といいます。
歯周病は身近な病気で、15-24歳が20% 、25-34歳で30% 、35-44歳で40%、 45-54歳は50%、そして55歳以上は55-60%という割合で罹っていると言われています。
罹患率が高い一方で放ってくと怖い病気でもあり、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けて歯が抜けることに繋がる、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせる、早産・低体重児出産・肥満・血管の動脈硬化にも関与するなど、さまざまな影響を及ぼす可能性があります。
歯周病になぜなるの?
歯周病の原因は、磨き残しなどによって口の中に蓄積したプラーク(歯垢)です。プラークは生きた細菌の塊で、そのほとんどが酸素の少ない場所を好むため、歯周ポケットに多く潜んでいます。
プラークを放置すると口内で細菌がどんどん繁殖し、細菌が出す毒素によって、炎症(歯周病)に繋がります。
なお、プラークは歯とほぼ同じ乳白色で水に溶けにくく、歯の表面に粘着しているため、うがいをするだけでは取り除くことはできません。
歯周病を防ぐには
歯周病の予防には、口内環境を清潔に保つ「プラークコントロール」が大切になります。ここでは、プラークコントロールのために自宅でできるホームケアをご紹介します。
正しい歯磨き
プラークが溜まりやすい部分として「歯と歯ぐきの境目(歯の生え際)」、次に「歯と歯が接しているところ(歯間)」、そして「歯の溝(特に奥歯の咬む面)」の3点があります。ここをしっかりと磨くことで、プラークを取り除くことができます。
また他にも、「歯ブラシを濡らさずに歯磨き粉をつける」「ゴシゴシこすらずに、軽い圧で細かく動かして磨く」「かたすぎない毛の歯ブラシを使う」「5分以上磨く」ことなどを意識すると、きれいに磨きやすくなります。自分で歯ブラシを動かすのが大変な場合、電動歯ブラシの使用も検討すると良さそうです。
また歯周ポケットを意識したブラッシングも、歯周病予防にはとても大切です。歯と歯ぐきの間に歯ブラシを45度の角度であて、細かく揺らして歯ブラシの先を歯周ポケットの奥まで届かせるイメージで磨きましょう。
歯磨きのタイミングとしては、毎食後が基本です。しかし生活環境などによっては、毎食後に丁寧なブラッシングをしづらい場合もあるかもしれません。その場合、寝る前のブラッシングは丁寧に行うことを意識しましょう。
就寝中は唾液の分泌量が減り、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうため、寝る前のブラッシングはとても大切です。
歯間ブラシの使用
歯ブラシの毛先が届きにくい歯間をきれいにするには、歯間ブラシが有効です。特に歯間の根元に三角形の隙間がある方、歯ぐきが後退気味の方、ブリッジをしている方などは、積極的に活用することをおすすめします。
ブラッシングのみよりも、歯間ブラシを併せて使用することで、汚れの除去率が10%近く上がるというデータもあります。
デンタルフロスの使用
歯間の隙間がない場合には、デンタルフロスも活用しましょう。
デンタルフロスには「糸巻きタイプ」と「ホルダーつきタイプ」の2種類がありますが、いずれも歯と歯の間にゆっくり、小さく動かして使用します。「糸巻きタイプ」は細かい動きがしやすいため慣れている方向け、「ホルダー付きタイプ」は指での操作が難しい方や、初めて使う方におすすめです。
マウスウォッシュの利用
うがいだけでプラークを落とすことはできませんが、マウスウォッシュを利用することで、歯磨き後の口内環境を清潔に保ち、細菌が繁殖しないようにすることができます。
歯周病予防に良いとされるのは殺菌成分を含んだもので、グルクロン酸クロルヘキシジン(CHG)、塩化セチルピリジウム(CPC)、塩化ベンゼトニウム(BTC)などが代表的な成分として挙げられます。商品裏面の成分表で確認した上で購入ができると良いでしょう。
歯周病になってしまったら?
歯ぐきが赤い、歯ぐきから血が出る、口臭がする、歯がしみるなどの症状があらわれたら、歯周病が進行している可能性があります。
歯周病になると、残念ながら自力で治すことはできません。治療には、歯科などのプロの手が必要になります。軽度であれば歯垢や歯石を取り除く清掃や噛み合わせの調整、重度の場合は外科治療などを行うことで、治療をしていきます。
歯周病のサインが出たら、治療が大変になる前に、早めに歯科を受診することをおすすめします。
いのうえ歯科クリニックでは、適切な治療はもちろんのこと、教育を受けた専任の衛生士がメンテナンスを行っています。平均寿命が80歳を超える今、歯の平均寿命は約50年~65年と言われており、食べることや話すことに影響が出る方も少なくありません。
あなたの大切な歯を、一緒に守っていきましょう。