2024-07-10 スタッフBlog

歯周病の放置は危険!歯周病菌が体に及ぼす影響と病気について

歯周病とは

歯と歯茎(歯肉)の隙間(歯周ポケット)に細菌が侵入すると、歯肉の炎症が起こります。この炎症が進行すると歯を支えている骨を溶かしてしまう病気を歯周病といいます。

歯周病は身近な病気で、日本人における成人のうち、約80%の方がかかっていると言われています。

歯周病を放っておくとどうなる?

歯周病は進行が遅く、痛みも出づらいため放っておかれるケースも多くあります。しかし、歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かない状態のまま放っておかれるとどんどん進行し、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまい、歯を失ってしまうことも。

また、歯周病の影響は口腔内だけでなく、全身に及ぶこともあります。例えば炎症性の物質が血液中に入ることで、インスリンの働きが低下し、血糖値が下がりにくくなります。そのため、糖尿病との相関があることが知られています。
他にも 歯周病が引き起こす動脈硬化により、心臓に血液を送る血管が狭くなることで狭心症を引き起こしたり、血管が詰まることで心筋梗塞につながったりすることもあります。
さらには心内膜炎、肺炎、がんなどとの関連も指摘されており、場合によっては命に関わることも考えられます。

歯周病の治療を行うと、糖尿病の血糖値やヘリコヘモグロビンの値が改善したという例があるため、早期の発見・治療が望まれます。

見落としたくない歯周病のサイン

以下のような症状を感じたら、ぜひ早めに歯科を受診してください。

  • 朝起きたとき、口の中にねばつきを感じる
  • 口臭が気になる
  • 歯みがきの際に出血する
  • 歯肉がときどき、もしくはいつも腫れる
  • 硬いものが噛みにくいと感じる
  • 冷たいものを食べた時などに歯がしみる
  • 歯と歯の間に隙間ができてきた
  • 歯がグラグラする

また、以下に当てはまる方は歯周病に罹る危険性が高いとされているため、一層注意が必要です。

  • 40歳以上の方
  • 喫煙者
  • 妊娠中の方
  • 糖尿病にかかっている方
  • 正しい歯磨きをしていない方

歯周病を防ぐために

では、歯周病を防ぐためにできることはあるのでしょうか。

歯周病の予防には、口内環境を清潔に保つ「プラークコントロール」が大切になります。プラークが溜まりやすい部分として「歯と歯ぐきの境目(歯の生え際)」、次に「歯と歯が接しているところ(歯間)」、そして「歯の溝(特に奥歯の咬む面)」の3点があります。ここをしっかりと磨くことで、プラークを取り除くことができます。

理想は毎食後、少なくとも夜寝る前にはしっかりブラッシングをする他、歯間ブラシ、デンタルフロス、マウスウォッシュなども活用しながら、清潔な口腔環境を保つことが重要です。

歯周病になってしまったら?

歯周病に一度なってしまうと、残念ながら自力では治すことができず、歯科などのプロの手が必要になります。軽度であれば歯垢や歯石を取り除く清掃や噛み合わせの調整、重度の場合は外科治療などを行うことで、治療をしていきます。

歯周病のサインが出たら、治療が大変になる前に、早めに歯科を受診することをおすすめします。

いのうえ歯科クリニックでは、適切な治療はもちろんのこと、教育を受けた専任の衛生士がメンテナンスを行っています。平均寿命が80歳を超える今、歯の平均寿命は約50年~65年と言われており、食べることや話すことに影響が出る方も少なくありません。

あなたの大切な歯を、一緒に守っていきましょう。