2024-12-09 スタッフBlog
妊娠中に歯医者に行っても大丈夫?妊婦さんが知っておくべきことまとめ
目次
口内環境も大きく変化する妊娠期間
妊娠をすると体のさまざまな部分に変化が起こりますが、それはお口の中も同様です。女性ホルモンの増加により、歯ぐきが腫れやすくなったり、出血しやすくなったりすることも。また、唾液の量や質が変化し、唾液量の減少や、「よだれづわり」と言われる、唾液過多症を発症する場合もあります。
これらによって口内酸性に傾き、虫歯などの口腔トラブルに繋がりやすくなります。
妊娠期間に起こりやすいこと
「妊娠すると赤ちゃんにカルシウムなどの栄養を奪われるから虫歯になる」という昔からの言い伝えもあるくらい、妊娠期間の口腔トラブルは起こりやすいものです。
もちろん「赤ちゃんに栄養を奪われる」は迷信ですが、体の変化の他にも、生活習慣が変化することによって、虫歯などができやすくなることも。
つわり期間は歯ブラシを口の中に入れることが難しく歯磨きができなくなったり、いわゆる「食べづわり」が起こることで、食事(間食)の回数が増え、かつ食事の好みの変化で偏食ぎみになる場合があったりなど、口内環境が悪くなりやすい状態になります。
また、妊娠後期でお腹が大きくなってくると、胃が圧迫されることで満腹と空腹を繰り返しやすく、食事の回数が増えることで口腔トラブルのリスクが高まります。
これまで虫歯などのトラブルと無縁だった方も、妊娠をきっかけに虫歯、口臭、口内炎などが起こるケースも多く、妊娠中のマイナートラブルのひとつとして広く知られています。
とはいえ、妊娠期間中はままならないことも多く、妊娠前のようにケアを行き届かせることはなかなかできないのが実情ではないでしょうか。
トラブルが起こってしまったら、またトラブルを防ぐためにできることをお伝えします。
妊娠中でも歯医者に行ける?
結論からいうと、妊娠中でも受診は可能です。
ただ妊娠初期はつわりが起こるなど体調が不安定な場合も多く、妊娠後期はお腹が大きくなることで、圧迫感からあおむけの姿勢を取ることが難しくなることもあります。
そのため、複数回にわたる治療が必要な場合、比較的体調が安定している妊娠中期(5~7か月くらい)の受診が一般的にはおすすめです。
しかし体調や妊娠の状況も人によってさまざまかと思うので、歯医者で妊娠中であることや、不安なことや気になることがあればそちらもしっかりと伝えた上で、相談しながら治療を受けることをおすすめします。
妊婦さんの歯医者受診時に気をつけたいこと
受診の際には妊娠中であることを伝えることで、投薬や治療方針なども母体に配慮した内容で行われます。
もし産科の主治医から注意を受けていることや診断されていることがあれば、必ず歯科医にも伝えましょう。また、親知らずの抜歯など大がかりな歯科治療を行う時は、産科の先生にも伝えておくと安心です。
自治体によっては、妊娠中に無料で健診が受けられるクーポンなどを配布している場合があるため、そういったものがあればぜひ活用しましょう。また、母子手帳には妊娠中の歯の状態を記録できるページがありますので、今後のために受診時に母子手帳を提出し、記入してもらうといいでしょう。
レントゲンは受けても大丈夫?
妊娠中でも、必要があればレントゲンを撮る場合もあります。通常歯科で行うレントゲン撮影の放射線量は少なく、赤ちゃんにほとんど影響はありません。また撮影部位は腹部からも離れている上、エプロンも必ず着用するため、基本的には安心してレントゲン撮影を受けて問題ないでしょう。
しかし不安なことがある場合、遠慮せずに歯科医に相談しましょう。
自宅のオーラルケアで気を付けること
妊娠期間中でも歯科の受診自体は可能ですが、「予防」という観点で自宅でできるオーラルケアのポイントをご紹介します。
歯磨きの仕方
オーラルケアの基本は、食事のたびに歯磨きをすることです。しかし、妊娠中はつわりなどで歯磨きどころではない場合もあります。そんな時は無理せず、体調がよい時に歯磨きをするようにしましょう。体調が落ち着いてきたらいつもの習慣に戻しましょう。
寝ている間は唾液の量が減少し、口の中の細菌の数が増えやすくなるため、できるだけ寝る前は歯磨きをすることをおすすめします。それが難しい場合、味やにおいが大丈夫であればマウスウォッシュを活用する、それも難しければ耳下腺のマッサージで唾液の減少を防ぐなど、できる範囲で対策をすると良いでしょう。
また、歯ブラシを口の横から入れて小刻みに奥歯や親知らずを磨くようにすると、ブラシの先端が奥まで届きづらくなるため、気持ち悪くなりづらくなります。
そして、ご自身がリラックスできる状態や、お気に入りの音楽を流しながらなどの「ながらみがき」をすると、気が紛れて歯磨きしやすくなるのではないでしょうか。
いのうえ歯科クリニックでは、適切な治療はもちろんのこと、教育を受けた専任の衛生士がメンテナンスを行っています。
妊娠中の治療だけでなく出産後の定期メンテナンスなどを通じて、平均寿命に比べて約20年短いと言われる、歯の寿命を伸ばす取り組みを行っています。あなたの大切な歯を、一緒に守っていきましょう。