2023-07-04 スタッフBlog
歯周病は世界中で最も蔓延している病気です
日本では成人の80%が歯周病にかかっており、虫歯よりあまり知られていませんが、歯を失う理由の第1位が歯周病と言われております。一体どんな病気かお話していきます。
目次
歯周病とは?
歯と歯茎(歯肉)の隙間(歯周ポケット)に細菌が侵入し、歯肉の炎症が起こります。この炎症がさらに進行すると歯を支えている骨を溶かしてしまう病気を歯周病と言います。
歯周病の主な原因は、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌です。歯垢は日常的な歯磨きや歯間清掃が不十分な場合に歯の表面に付着したり、歯周ポケットに蓄積します。蓄積された細菌は毒素を産生するので、それによって歯肉に炎症を起こし、歯周ポケットが深くなります。
歯垢は唾液の働きを借りて石灰化し、歯石になります。この歯石は深くなった歯周ポケットに入り歯根にも付着します。歯根についた細菌はさらに毒素を産生し炎症を起こします。支えている骨が溶かされていくので次第に歯がグラつきだし最悪の場合は抜かなければならなくなってしまいます。
虫歯と違って、歯周病の自覚症状はほとんどなく知らぬ間に進行し、歯を失ってしまう恐ろしい病気です。
歯周病は早い段階から予防していけば、歯の健康の維持ができます
歯周病の検査
歯周病であるかどうかはポケットの深さ、出血、歯の揺れ、骨の高さを検査し、歯周病の段階を診断していきます。
診断にはプローブ、レントゲン写真、ピンセットを使用します。
歯周病の段階
歯周病はある日突然、重度の症状が出るわけではなく徐々に進行していく病気です。段階があるので見ていきましょう。
・歯肉炎
ポケットの深さ:1~2mm です。歯垢や歯石によって炎症がおき、腫れや出血が確認できます。まだ骨の吸収はみられません。
・軽度歯周病
歯周ポケットの深さ:3~4mmです。 炎症が進み徐々に骨の吸収が始まり、歯周ポケットの形成が始まります。腫れや出血、口臭などの症状もみられます。
・中度歯周病
歯周ポケットが深さ:4~6mmです。骨の吸収はさらに進み歯周ポケットがより深くなり、歯と歯ぐきの間に細菌や歯垢がたまりやすくなります。歯ぐきの腫れや出血が増えます。骨の吸収や歯ぐきの後退が見られる場合があります。
・重度歯周病
歯周ポケットが深さ:7mm以上です。骨の吸収はかなり進んでいます。場合によっては歯を抜かなくてはいけません。
歯周病になりやすい人の条件は
①歯磨きをあまりしない人
歯磨きが苦手、面倒くさくてあまり磨かない人は歯周病になるリスクが高くなります。歯垢を上手く落とさないとお口の中は細菌でいっぱいになり、歯周病のリスクを高めます。
②喫煙する人
タバコには多くの有害物質が含まれており、それらが血流悪くします。酸素や栄養の供給の低下、唾液分泌も阻害されるため非喫煙者より歯周病になるリスクが2~8倍と言われています。
③糖尿病の持病がある人
糖尿病になると細菌への抵抗力が低下します。高血糖の影響で唾液の分泌が阻害されるため口腔内の乾燥が起きます。それにより細菌が繁殖しやすくなり、歯周病になりやすいです。
④食生活が偏っている人
砂糖などの糖分を多く摂取していると、歯垢が沢山生成することで歯茎に溜まりやすく歯周病になる可能性が高くなります。バランスの良い食事を心がけましょう。
予防するためには・・・
歯垢が付かないように正しく歯磨きを行うことと、歯ブラシだけではなかなか落としきれないのでフロスや歯間ブラシを使うのも有効です。歯石になれば自分では落とすことができないので、定期的に歯科医院で除去してもらうことが大切です。